今回の衆議院選挙についての声明

現在行われている衆議院選挙について、雪国の障害のある人から、「選挙に行くことが出来ない」という声を聞きました。今回の選挙は障害のある人や高齢の方の参政権が十分に保障されていないのではないでしょうか。

基本的な権利である参政権が十分に保障されていないことについて社会全体で考えていただきたいと思い、本声明を発表します。

以下、声明文

大雪の中で行われている衆議院選挙と、参政権の保障について

特定非営利活動法人

自立生活センターヒューマンネットワーク熊本

代表  日隈 辰彦

現在行われている衆議院選挙において、障害のある人や高齢者の投票の権利、すなわち有権者として最も基本的な権利である「一票」を行使しようにも、投票所にたどり着くことすら困難な豪雪地帯の現状があります。

わずか1センチの積雪でもニュースになる熊本に暮らす私たちだからこそ、人の背丈ほども雪が降り積もる地域で、投票という基本的な権利を行使できない仲間たちの口惜しさを、強く受け止めています。

この時期に豪雪となることは、雪国においては十分に想定できたはずです。降雪状況は連日のように報道されており、今年に限った特異な事象ではありません。それにもかかわらず、障害のある人や高齢者が一票を投じることができない状況が生じていることは、個人の問題としてではなく、社会全体が重く受け止めるべき重大な課題です。

選挙における投票の権利は、日本国憲法において保障された参政権であり、すべての国民に平等に認められるべき、最も基本的な権利の一つです。障害のある人や高齢者を含め、誰もがその権利を実質的に行使できる環境を整えることは、社会全体に課せられた責務であるはずです。

近年の大雪により、移動が困難な障害者や高齢者は少なくありません。路面状況の悪化や公共交通機関の制限によって、投票所へ向かうこと自体に危険が伴い、投票所にたどり着くことが不可能、あるいは極めて大きな負担を強いられる人たちが多数存在しています。こうした状況下で実施されている今回の選挙は、障害のある人や高齢者の一票の権利を、十分に保障しているとは言えません。

およそ30年前、投票所がバリアフリーでなかった時代には、車いす利用者が投票することは極めて困難でした。その課題を克服するため、長い年月をかけて投票所のバリアフリー化が進められ、車いす利用者や歩行が困難な人の投票の権利が保障されてきました。

しかし現在、大雪という現実の障壁の中で行われている選挙は、再び移動が困難な人々の投票の権利を奪う状況を生み出しています。30年以上かけて積み重ねられてきたはずの障害者や高齢者の投票の権利が、再び軽んじられているのではないかという強い危機感を覚えます。

障害の有無にかかわらず、すべての国民に等しく保障されるべきものが、一票の権利です。本声明は、特定の政権や政党を批判することを目的としたものではありません。多くの方にこの現状を知っていただき、共に考えていただきたいという思いから、本声明を発表するものです。

誰一人取り残されることのない選挙が実現されることを、強く望みます。

コメントは受け付けていません。